【THE GUILTY / ギルティ】誘拐事件発生!頼みの綱は電話の音声だけ!
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THE GUILTY / ギルティ
ジャンル
サスペンス  日本公開2019年2月22日 製作国デンマーク 上映時間88分 監督グスタフ・モーラー 出演ヤコブ・セーダーグレン / イェシカ・ディナウエ / ヨハン・オルセン
あらすじ
緊急通報指令室のオペレーターをしているアスガー。
そんな彼の元に1本の通報が入る。
それは今まさに誘拐事件の被害に遭っている女性からの通報だった!
アスガーは女性を救うため、電話の声と音だけを頼りに事件の真相に迫ってゆく。
全編緊急通報指令室のみで繰り広げられる、音声だけを頼りに展開するソリッド・シチュエーションムービー!
こんな人にオススメ!
●スリリングな作品が好きな人。
●ソリッド・シチュエーション物が好きな人。
●変わった作品が好きな人。

音声だけを頼りに女性を救い出せ!

©2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

電話の声と音だけを頼りに全編緊急通報指令室で展開するソリッド・シチュエーションムービー「THE GUILTY / ギルティ」。

“ソリッド・シチュエーション作品と言うのは「ある特定の限られた状況下で展開する」映画の事を言います。

このソリッド・シチュエーション、「SAWシリーズ」の大ヒットあたりから注目が集まりました。
他にも「CUBE」や日本だと「人狼ゲームシリーズ」などがあります。

ただ「THE GUILTY / ギルティ」はそれらの作品とは少し性質が異なっています。

これまでのソリッド・シチュエーション作品は限られた状況で主人公自身が事件なりに巻き込まれるものがほとんどでしたが、今作の主人公は緊急通報司令室に勤めているアスガーという男性で、彼自身は直接的には事件に巻き込まれません。

主人公アスガーは、今まさに起きている誘拐事件を電話だけを頼りに解決しようとする探偵的な立ち位置なのです。

映画では、事件側や他の警察・捜査員側の画的な描写は一切なく、すべてが緊急通報司令室にいるアイガー視点で描かれます。

その探偵的ポジションのアイガーや観客に与えられる情報は電話からの音声だけという限られたもの。

つまり、この作品でソリッド・シチュエーションに置かれているのは観客である僕たち自身なんです!

それは全編パソコンの画面内で展開する「アンフレンデッド」や「search / サーチ」と、従来のソリッド・シチュエーションものの中間の様な描き方と言えます。

そしてこの与えられる情報は電話からの声と音のみというのが、映画を観る観客の想像力を掻き立てます

誘拐された女性・イーベンから得られる断片的な情報。
電話の後ろから聞こえてくる環境音。
車で走っているのか?
外は雨なのか?
今電話の向こうでは何が起こっているのか?

そしてそれらの情報は本当に正しいのか?
それらの情報から想像される状況は間違っていないのか?

それは想像力を掻き立てる面白さと同時に、もどかしさとも繋がるんです。
もし自分がただのオペレーターではなく捜査官であれば自ら事件の現場に赴き捜査しイーベンを救う為に奔走出来るのに!
アスガーが元警察官だったというのがそのもどかしさに拍車をかけます。

また、人間が聴覚から得ている情報は全体のたった11%と言われていて、その状況は正に手足を縛られたような感覚なんです。

僕たち観客はそんな状況の主人公・アスガーと一体となりイライラやもどかしさ、そしてイーベンを絶対に助けたいという感情を共有するのです。

そこで効果的になってくるのが、全編緊急通報司令室というシチュエーション。

この一室以外の描写はありません。

それが観客に息苦しさを感じさせるのですが、少し引いた目線でこの状況を観てみると、緊迫した誘拐事件が起きているものの、光景としてはいつと何ら変わりない室内風景なわけです。

数名のオペレーターがいて、ただ電話で話しをしている。
そんな日常的な状態。

しかし、アスガーに届く音声だけがいつもと違う。

この主観と客観のギャップがよりこの特殊な状況と作品自体に独特な強い印象を与えているんです。

派手なアクションや目まぐるしい場面転換がなくても、ここまでの緊迫感を描ける事に驚かされます。

そんな特殊な状況に置かれたアスガー。
彼と一心同体となり事件を追う観客。
そして辿り着く事件の真相と真実

是非、音響の良い視聴環境でご覧ください。
ヘッドホンを装着して観ると、同じくヘッドホンを着けているオペレーターのアスガーとのシンクロ率が上がるかもしれませんね(笑)

 

何としてもイーベンを救いたいと奔走したアスガーでしたが、真相は意外なものでした。

始めアスガーはイーベンの夫・ミケルが子供を殺害しイーベンを誘拐したと思っていました。

しかし事実はそれとは逆で、イーベンは心を病んでいて子供を殺したのも彼女自身。
夫はそんな妻を病院へ連れて行こうとしていただけでした。

もしこの事件を視覚的に見る事が出来ていたら、赤ん坊の遺体を見てその状況に違和感を感じる事が出来たかもしれません。

面と向かってイーベンと対話をしていれば彼女の普通ではない様子に気づく事が出来たかもしれません。

これらは音声だけを扱った事で成し得たミスリードなわけです。

この映画はある意味小説を読んでいる感覚にも似ていて、このミスリードは叙述トリックにも似た面白さを感じます。

こうして事件を解決へと導いたアスガーは、この事件を通して自らが起こした事件と罪に正直に向き合う事を決意します。

そしてラストシーン。
司令室を後にしながらアスガーはどこかに電話をかけます。
彼は一体どこに電話をかけていたのでしょうか?

出て行った妻でしょうか?
自分の事件の真実を話すため、弁護士や警察に電話をかけたのでしょうか?

もしかすると最後の電話はアスガー自身が誰かに救いを求める緊急通報だったのかもしれません。

 

 

メタ壱スコア:3.4

こう言った新しい手法が大好きな僕。
ソリッド・シチュエーションものも好物です。

そして88分という短い上映時間に濃密なサスペンスを凝縮した本作。
映画を観終わった後に感じる開放感。

この作品はある意味で体感型とも言えるかもしれません。

88分という上映時間もとても絶妙で、これ以上長いとダラケてしまいそうですし、何より観ている方の緊張感が持たない気がします。

ずっと司令室という一見地味な絵面なのに、その緊張感でめっちゃ疲れるんですよね、いい意味で(笑)

みなさんにもこの独特な感覚を是非味わってみて欲しいと思います!

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