【日日是好日】人生を顕微鏡で覗いてみる。
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タイトル:日日是好日
ジャンル:ノンフィクション / ドラマ
日本公開:2018年
製作国 :日本
監督  :大森立嗣
出演  :黒木華 / 樹木希林 / 多部未華子

 

あらすじ
理屈っぽくまじめでおっちょこちょいな大学生の典子。
ある日母親からのすすめで従姉妹の美智子と共に近所で茶道教室を開いている武田先生の元に通うことになる。
エッセイストの森下典子が茶道教室に通う日々を綴ったエッセイを元に映像化した典子の自分探しの物語り。
という実話。
メタ壱スコア 4.0

日日是好日。
ちなみに読み方は“ひびこれこうじつ”ではなく“にちにちこれこうじつ”です。
僕は“ひびこれこうじつ”だと思っていたので映画館に行く前に正しい読み方を知っておいて良かったです。
チケットを買うときに危うく恥をかくところでした(笑)
でも逆に劇場のスタッフさんが“ひびこれこうじつ”だと思っていたとしたら心の中で笑われていたかもしれませんが(笑)

そんなこんなで今回ご紹介するのは黒木華さん主演の「日日是好日」。(実は黒木華さんの名前も“はる”ではなく“はな”だと思っていましたw)
主人公に茶道を教える先生の役を先日亡くなられた樹木希林さんが演じています。
この作品が樹木希林さんの最後の作品というわけではないのですが、樹木希林さんを偲ぶ気持ちで劇場に足を運びました。
僕の中で樹木希林さんは国宝級の素晴らしい女優さんで、彼女の演技はもはや演技の枠を越えたある種の役者の到達点的な境地だと思っているのですが、今作でも樹木さんのその唯一無二の存在感が映画全体の土台として作品を支えていました。
先日観たハナレイ・ベイもですが、本作も主人公・典子の20歳から現在までの24年間を優しく緩やかに描いた“平熱作品”です。
ウェルメイドな作品が好きな方には退屈に感じてしまうかも知れません。
しかし、この作品には人生においての大事なメッセージが込められていて、僕は映画を観ながら何度もハッとさせられました。
タイトルの“日日是好日”ですが、意味としては「毎日が素晴らしい」と言った感じです。
じゃあこの作品は“毎日が素晴らしい”という事を伝えるのがテーマになっているのかというとそれはちょっと違うと僕は思います。
この映画が伝えたかったのは“日日是好日”という言葉の持つ意味を実感として、頭ではなく感覚で理解する事だと思います。
そうか“日日是好日”ってこういう事だったのか・・・みたいな。
それを典子と一緒に観客の僕たちにも武田先生が茶道を通して伝えてくれるのです。

「世の中にはすぐにわかるものと、すぐにはわからないものがある。すぐにわからないものは長い時間をかけて少しずつ気付きわかってくる」
この言葉に表されるように、まさに茶道とはそういうものです。
理屈や根拠のない作法で形作られた茶道を頭で理解しようとしても難しい。
しかし長年続けて行く事でそれらは体と心に清水のようにゆっくりと浸透していき、理屈や言葉ではなく“感覚”として“わかって”くるのです。
僕は人生というものもそういうものなのではないかと思います。
そして何事も長く続ける事でその対象に対して見えてくるものがあります。
子供の頃にフェリーニの「道」という映画を観た典子は当時それを理解する事が出来なかったのですが、人生経験を積み大人になってから観返す事でその内容に涙する事が出来ました。
こういう経験って誰しもがありますよね?
僕自身、映画を観るという経験を積む事で以前よりも映画というものを細かく深く観る事が出来るようになったと思います。
それはまるで顕微鏡でその対象を覗くみたいに、ちょっとずつ倍率を上げより深くより深く物事を解っていくのです。
人は子供から大人になるにつれてその世界を広げていきます。
個人から家族、家族から学校、学校から社会へとその視野はマクロを捉えていきます。
しかし顕微鏡で覗いていくのはその逆。
より身近に、深く、奥へ、ミクロを捉える行為です。
大人になると視野はマクロへと広がっていき、ミクロに対する意識が薄くなって行きがちです。
しかし世界というのは面白くて、ミクロを捉える事はいつしかマクロへと繫がります。
茶道を通して人生を理解するように。
そうする事で人の感覚はゆっくりと世界に広がっていき今までは捉えきれなかった事に気付く事ができるようになっていきます。
例えば春と秋の雨音の違い、水とお湯の音の違い。
そういったこれまで意識しなかった事に対する気付きが人生に新たな彩りを与え毎日がより豊かで充実したものになっていくのです。
それは今まで自分が見ていたのと同じ景色をこれまでとはまた違った美しいものに見せてくれるのだと思います。
そして改めて人生や身近な人たちの大切さを再確認する事が出来る。
そんな事をこの作品は僕に教えてくれました。

 

まとめ

典子にとって茶道は、人生で辛い事があってもいつも変わらずそこにあるものになっていました。
何があっても安心して帰ってこれる“場所”を典子は見つける事が出来たのだと思います。
それは僕にとっては映画なのだと思います。
映画というものに出会えて好きになって僕は本当に幸せだと思っています。
もしまだ自分にはそのような物が見つけられていないという方は是非「日日是好日」を観て、自分にとっての何か大切なものを探してみてはいかがでしょうか。

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