【バーニング 劇場版】現実と虚構をたゆたう青春と不協和音。
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バーニング 劇場版
ジャンル
ミステリー  日本公開2019年2月1日 製作国韓国 上映時間148分 監督イ・チャンドン 出演ユ・アイン / スティーヴン・ユァン / チョン・ジョンソ
あらすじ
運送会社でアルバイトをしているジョンスは、ある日街中でキャンペーンガールをしていた幼馴染みの女性・ヘミと再会する。
それ以来親交を深めていった二人。
ある日、ジョンスはアフリカ旅行へ行くというヘミに留守中の飼い猫への餌やりを頼まれる。
半月後、旅行から帰ってきたヘミを迎えに空港に行ったジョンス。
帰ってきた彼女はアフリカで仲良くなったというベンという男を連れていた。
こうして始まる、ジョンスとヘミとベンの奇妙な三角関係。
謎に包まれた男・ベン。
姿を現さない猫。
ベンの打ち明ける奇妙な趣味。
崩れてゆく曖昧な現実の中で三人が迎える結末とは
こんな人にオススメ!
●作品を考察するのが好きな人。
●ミステリアスな作品が好きな人。
●変わった作品が好きな人。

凄いものを観てしまったとしか言いようがない!

©2018 PinehouseFilm Co., Ltd.

「バーニング 劇場版」。
本作は言わずと知れた日本を代表する作家の一人、村上春樹さん原作の短編作品「納屋を焼く」を、韓国の名監督イ・チャンドン氏が長編映画として制作したミステリー映画です。

ちょっと気になるのが作品タイトルに“劇場版”という言葉が入っている事。
実はこの「バーニング」、20181229日にNHKで放送されていたんです。

しかしNHKで放送された「バーニング」は元の尺から53分も短縮されていて、ラストはごっそりとカットされていました。

つまり今回201921日から日本でも劇場公開された「バーニング 劇場版」はその完全版という事になります。

本作「バーニング 劇場版」。
韓国、日本に限らず世界中で高く評価されていて数々の賞を受賞している作品なんです。

71回カンヌ国際映画祭において批評家による評価において3.8(満点が4.0)という驚異の数字を叩き出しました。

これは歴代の記録を塗り替えた数字で、その年パルムドールを受賞した「万引き家族」が3.2だった事を考えるとこの得点がいかに凄いものなのかというのが分かると思います。

あのオバマ元アメリカ大統領も2018年のお気に入りの作品に選んだとか。(オバマ元アメリカ大統領は大の映画好きなんです)

そんな「万引き家族」のパルムドール受賞を脅かしたとまで噂される「バーニング 劇場版」とは一体どんな作品なのか

一言で言うと、すんげぇ作品

正直この映画の魅力を的確に表現する言葉が見つかりません。

とにかく普通じゃない。
僕は一体何を観たんだそんな風に思ってしまうような作品なんです。

物語りは主人公・ジョンスが幼馴染みの女性・ヘミと再会する所から始まります。

街を歩いていたジョンスは、デパートの前でキャンペーンガールをしていた一人の女性に声をかけられます。
それは整形手術により美しく生まれ変わった幼馴染みのヘミでした。

偶然の再会から親交を深めていった二人は体の関係を持ちます。

そんなある日半月ほどアフリカへ旅行へ行くというヘミに飼い猫の世話を頼まれたジョンス。

猫の世話を頼まれたはいいものの、ジョンスが餌をやりにヘミのアパートへやって来ても猫は一向に姿を現しません。
ジョンスは猫なんて本当はいないのではないかと疑います。

そうして半月後、アフリカ旅行から帰ってきたヘミは現地で仲良くなったというベンという男と一緒でした。

そこから三人の奇妙な三角関係が始まるのですが、同時にジョンスの現実は徐々にその輪郭を曖昧なものへと変えてゆきます。

この「バーニング 劇場版」は分類としてはミステリーに入るのだと思います。
しかし、それも何だか違うような気もするんです。

なんせこの映画は、何が起こっているのかわからない作品なんです。

もちろんストーリーは普通に進んで行きます。

だけど、主人公・ジョンスの周りで起きている事が一体何を意味しているのかが解らない。

あちこちに伏線やキーワードが張り巡らされているのは分かるんです。
でもそれらが何を示しているのかが解らない。

まるで、これが何のロボットのものなのかも判らないバラバラになったプラモデルのパーツをなんとか一つの完成体にしようと試行錯誤しもがいているような感覚。

例え出来上がってもそれが正しい完成体なのかも判らない。

物語り自体は割と淡々としていて静かなんですが、心に迫ってくる凄まじい圧力。

はっきり言って、好き嫌いは真っ二つに分かれるだろうなと思います。

解りやすい作品が好きな人にとっては退屈でなんの面白みもない作品に感じるかもしれません。
しかし、作品全体に漂う独特な空気と緊張感、そして不安定感は他にはない本作の魅力として伝わるのではないかと思います。

1983年に発表された村上春樹さんの短編原作「納屋を焼く」を、舞台を現代の韓国に置き換えイ・チャンドン監督の解釈により長編映画として生まれ変わった本作。

映画ならではの美しい映像表現と、現代社会を生きる若者達の現実と心を鋭く切り取ったこの唯一無二の本作は、他の作品にはない独自の映画体験を味わわせてくれます。

不可解なストーリーでありながらその中で表現されている若者の抱える自意識、嫉妬、後悔、愛情といった生々しい人間の感情が観客の心を真綿で締めてくるんです。

この文章を読んで「結局どういう映画なんだってばよ!何が言いたいのか解かんないってばよ!」と思っているあなた!

そう思った人にはむしろ逆に僕の言いたい事が伝わっていると言えるのかもしれません(笑)

この映画の魅力はとにかく観てもらわないと解らない!
騙されたと思って観てみてください。

本当に騙された!と思う人もいるかもしれません(笑)
しかし、この作品のもつ魅力を感じてもらえて、散りばめられたキーワードからこの事件の真相を考え独自の考察と解答を導き出して、この映画の秘める面白さを隅々まで楽しんでくれる人が増えたらいいなと思います。

 

メタ壱スコア:4.3

とにかくすんげぇという感想ばかりが口をついて出てきそうになる本作。

とにかく観て!としか言いようがありません。

「バーニング 劇場版」の鑑賞は僕にとって衝撃的な映画体験になりました。

久しぶりに映画のパンフレットを買ったほどです(笑)

この作品に対する答えはまだまだ出そうにないので、これからも色々考察をしてみようと思います!

でももう一度観なきゃ解かんないよな〜(笑)

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