【タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜】かけがえのない友へのラブレター
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タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜
ジャンル
ドラマ 日本公開2018年04月21日 製作国韓国 上映時間137分 監督チャン・フン 出演ソン・ガンホ / トーマス・クレッチマン / ユ・ヘジン
あらすじ
1980年、軍事独裁政権に対する国民によるデモが多発していた韓国。
ソウルでタクシー運転手をしているマンソプは、客を光州に連れて行って帰ってくるだけで10万ウォンという同業者のオイシイ話を耳にする。
お金に困っていたマンソプはその客との待ち合わせ場所に先回りし仕事を横取りしてしまう。
そうしてドイツ人記者のピーターを乗せ光州を目指すマンソプだったがそこには思ってもいなかった悲惨な現状が待ち受けていた・・・。
韓国近代史上最大の悲劇と言われる「光州事件」に巻き込まれた二人の男の衝撃の実話。
こんな人にオススメ!
●ソン・ガンホが好きな人。
●バディムービーが好きな人。
●韓国の歴史に興味がある人。

韓国近代史最大の悲劇「光州事件」と二人の男の物語り。

本舞台は1980年の韓国
この頃韓国では軍事独裁政権に対して民主化を求める市民や学生によるデモが多発していました。
そんな中で起きたのが韓国近代史上最大の悲劇と言われている「光州事件」です

[光州事件とは?]
1980
517日に起きた全斗煥(チョン・ドゥファン)らのクーデターに対して翌18日光州市において学生たちにる大規模な抗議デモが行われる。
デモをする学生たちに対して行われた軍の暴力的な制圧に怒りを覚えた市民もデモに参加し軍と市民の衝突は激しさを増す。
そんな学生・市民らに対し軍はアカ(共産主義者)のレッテルを貼り銃器などの圧倒的な武力による制圧を行う。
それはほとんど虐殺のようなもので光州の街は戦場の様相を呈し、結果150人以上の死者と3000人以上の負傷者を出す。
当時、光州で起きていた出来事は政府による道路の封鎖やマスコミへの情報統制により海外はおろか他地域の国民にすら正確な情報が伝わっていなかった。

そんな激動の時代の韓国を舞台にした本作。
主人公はソウルでタクシー運転手をしているマンソプという実在の人物です。
彼は小学生くらいの娘と二人で貧しい生活を送っていました。
一方その頃日本に駐在していた同じく実在のドイツ人記者・ピーターは記者仲間から韓国で何か大変な事が起きているという情報を聞きつけ単身ソウルに飛びます。

 

現地に着いたピーターは不穏な動きがある光州を取材する為にタクシーを手配し、マンソプは多額の報酬欲しさにピーターを光州へと連れて行く事になります。

 

今作は韓国で実際に起きた事件を描いた社会派映画であり、実在の二人を中心に描いたバディ・ムービーでもあります。

 

マンソプと共に体験する光州事件。

© 2017 SHOWBOX AND THE LAMP. 

この作品は「光州事件」をあらかじめ知っておくと観やすいとは思いますが、逆に何も知らない状態で観るのも一つの観方だと思います。
なぜかと言うとそれはこの物語りがソウルでタクシー運転手をしているマンソプの視点で描かれているからです。

 

当時韓国では各地で学生を中心にしたデモが連日起きていました。
はじめマンソプはそんなデモに勤しむ学生たちを冷ややかな目で見ていました。
タクシー運転手をしている彼にとってデモは営業妨害以外の何物でもありませんし、幼い娘と貧しい生活を送る彼にとってはそんな政治運動よりも目の前の自分たちの生活の方がよっぽど大事なわけです。


そんなマンソプには学生たちのデモなど何不自由なく育った学生達のお遊びのようにしか見えていませんでした。
つまり主人公のマンソプは光州で起きている事など何も知らない状態だったわけで、それは映画を観ている光州事件の事をほとんど知らない僕たち観客の目線と同じなのです。

 

そうして観客は主人公・マンソプの目線を通してこの時の光州で起きていた事を体験していく事になります。
そうやって体験する出会いや出来事、そして目の前で起こる信じがたい光景にマンソプは、そしてあなたの気持ちはどう変わっていくのでしょうか?

 

この世界で起こる悲惨な現実に恐怖し、しかしそんな世界でも思いやりあふれる温かい人々との出会や交流、そして彼らの民主化への強い思いに心を揺さぶられるのではないでしょうか。

 

そして、この作品で最も大事なテーマとして描かれているのがジャーナリズムの重要性です。
自らの身を危険に晒してでも世界に発信しないといけない事がある。
そんなピーターの姿にマンソプは何を思いどう変わっていくのか。

 

社会性エンタメ性が絶妙なバランスで描かれた本作は、歴史や事件などにあまり興味がない方でも充分に楽しめる作品に仕上がっています。

 

かけがえのない友へのラブレター

僕はこの作品の記事を書くにあたり「かけがえのない友へのラブレター」というキャッチコピーをつけました。
この作品は恋愛映画ではありませんし、マンソプとピーターが同性愛者と言う訳ではありません。
ではどうしてこういったキャッチコピーを付けたのかと言うと、それはこの作品を観ていただけるときっと解るはずだと思います。
そしてその意味が解った時、きっとあなたは涙するに違いありません。

 

メタ壱スコア:4.5

主演は言わずとしれた韓国最高峰の名優ソン・ガンホ!
そしてマンソプの相方とも言えるドイツ人記者を「戦場のピアニスト」などのトーマス・クレッチマンが演じていて、彼らの演技力の高さに思わず息を呑むシーンがいくつもあります。
そんな彼らが描き出す、韓国近代史上最大の事件。
こんな事が日本のお隣の国で、それもたった38年前(2018年現在)に起こったという現実に衝撃を受けました。この作品は2018年の映画を語る上で外す事の出来ない傑作だと思います。

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