【静かな雨】積み重なる思い出、消えていく思い出。
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行助は屋台でたい焼き屋を営むこよみと出会い心を通わせて行くが、ある日事故に遭った事でこよみは記憶を1日しか保てなくなってしまう…というお話。

詩的で美しくて柔らかくて、どこか寂しくて切なくて、でもやっぱり温かい世界観に心を奪われました。

鑑賞中、こんなに時間を忘れた作品は初めてかも。
それも、“見入ってしまって”ではなく“浸ってしまって”という表現が合っているような不思議な感覚。
印象的なカットが多く、家の中で夕日に照らされた行助とこよみの画には本当に心を奪われ少し呆然としてしまったほど。

ストーリーは、“記憶を保てない”という一見ドラマチックな設定ですが、描かれている物語は二人の緩やかに過ぎていく日常。
そんな生活の中で生じる二人の気持ちのズレ。

彼女との思い出が記憶として積み重なっていく行く助と、毎朝記憶が事故直後までリセットされ思い出を積み重ねる事の出来ないこよみ。

この作品は4:3の画面比率なのですが、全体的なノスタルジックな色味も相まってこの作品そのものが記憶を失っていくこよみの代わりに全てを記録している、まるで“写真”のように感じられました。

こよみが記憶と思い出を失っても、二人の間の出来事はなくならないし、想いもなくならないし、それはきっと脳が覚えていなくてもこよみの中のどこかに蓄積されているような気がしました。
この作品はそんなこよみの中に蓄積された記憶の一部なんじゃないかと思います。

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