【隣人のゆくえ -あの夏の歌声-】10代の彼ら彼女らが創り上げた奇跡の映画。
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これはミュージカル映画であり、青春映画であり、ミステリー映画であり、ホラー映画であり、戦争映画であり、アイドル映画である。

山口県下関市にある梅光学院を舞台に制作された作品。
監督は普段サラリーマンをされている柴口勲氏、役者やスタッフは15才前後の梅光中・高等部の生徒さんたち40名というのが驚き!
助監督、撮影、振り付けなどなど全て梅光の生徒さんたちによるものなのです。

もともと梅光でワークショップな感じで映画を撮るということ以外白紙の状態からスタートしたそうで、結果こういった作品に仕上がった事は偶然や奇跡であると同時に、梅光の歴史や生徒さんたちの背景を考えると必然であったような気もします。

みなさんバリバリのプロというわけではないので演技や撮影等、粗削りな部分はあるのですが、観ているうちに彼女たちの世界に引き込まれいつの間にかそういった部分が気にならなくなってきました。
それどころか、終盤ではその粗削りさが逆にこの作品世界に生々しさやリアリティを宿し、言葉では言い表す事の難しい今まで味わった事の無い様な感動をおぼえ、自然と涙がこぼれてしまいました。

様々な要素の詰まった本作ですが、僕は主に戦争映画だと感じました。
しかし、この作品に直接的な戦争のシーンはありません(焼け野原になった下関の写真が映されるくらい)。
なのに、これまで観てきた色々な戦争映画の中で最も戦争の悲しみ、苦しみ、重みが伝わって来ました。

その重みっていうのは、もしこの作品が潤沢な予算、設備、プロの役者さんを使った商業映画的なものだったら宿らなかったんじゃないかな、と思います。

撮影の舞台となった梅光学院も空襲で破壊されたという歴史があり、その生徒さんである彼ら彼女らが自分たちの心と頭で考え、自分たちの手で一から創り上げたものだからこそその想いや魂みたいなものが彼女らの透き通った歌声と共に「映画作品」と言うフィルターを突破し、観客の心にダイレクトに届くエネルギーを獲得していたように思います。

舞台挨拶で特に印象的だったのが撮影を担当された上垣内愛佳さんのエピソード。
彼女はもともと役者としての出演を希望されていたそうなのですが、とある理由から撮影を担当する事になりました。

実は作中にも登場する下関の焼け野原の写真を撮影された写真家が彼女のひいおじいさんなのだそうです。

舞台挨拶では、「そんな安直な理由で撮影担当に〜w」と笑いを誘っていましたが、彼女が撮影を担当したと言う事はまさにこの作品のテーマを体現したものだったわけです。

上映後の舞台挨拶で監督がDVD化の予定はないと仰っていたので、この奇跡の作品を観る事が出来るのは劇場だけです。

これまで、大阪(シアターセブン)、愛知(シネマテーク)、神奈川(ジャック&ベティ)東京(ケイズシネマ、シネマ・ロサ)、愛知(シネマスコーレ)、福岡(昭和館)とまわり今回ようやく地元への凱旋を果たした本作ですが、今後もまた東京のシネマ・ロサ(だったと思います。間違ってたらすみません!)での上映が予定されているそうなので、可能な方には是非劇場へ足を運んでいただき、この不思議で奇跡のような作品に出会って頂きたいなと思います。

↓ 劇場で売っていたサントラCD、これは買わずにはいられないよねぇ(笑)

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