【福島は語る】日本人が決して目をそらしてはいけない今なお続く現実。
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4年もの期間をかけて制作された、福島で震災に遭われた方々のインタビューがベースの170分のドキュメンタリー映画。

震災のあった頃、僕は福島から遠く離れた福岡に住んでいました。
だから揺れの被害も放射能の影響もありませんでしたし、その他直接的な影響もほとんどありませんでした。

当時テレビの番組編成が変わったり連日の報道を何度も目にしましたが、ちょっとした節電傾向があったくらいで、正直震災そのものに対する実感はあまり湧いてきませんでした。

それは東北地方とほとんど縁のなかった自分にとって同じ日本での出来事でありながら、どこかテレビの向こうの出来事のような、海外での事件事故の報道に近い感覚で、震災発生・原発事故以降も日本中が震災に対し向き合っている中僕はやっぱりそれが自分事として身近に感じる事が出来ずにいました。

そんな自分だからこそ『福島は語る』の公開を知った時、この作品は観なければならないと思いました。

本作では原発事故による影響に関するインタビューがメインになっていて、14人の方々が震災が起きて8年経った今なお抱え続ける苦悩をそれぞれの立場と環境から語ってくれました。

この作品を観てとにかく感じたのは、彼らも自分と同じ一人の人間なのだという事。

メディアでも僕たちの普段の会話でも彼らは‘“福島の人”とか“被災者”とか“避難民”といった総称で呼ばれる事が多いと思います。

それはしょうがない事ではあるのですが、そういったカテゴライズが僕の中で彼らを一括に抽象化してしまっていたように思います。

しかしこの映画を通して一人一人の顔と表情を見て多くの言葉で体験や辛い思いなどを聴いく事で、本当は当たり前の事なのですが遠く離れた所にいる彼らが自分と同じ一人の人間だという事を痛感し、そういった方々が今も耐え難い苦しみの中にいるんだという事実に胸が苦しくなりました。

また僕の出身地も田舎町なのですが、作中に映し出される福島の風景がなんだか自分の故郷と重なってしまい、彼らの語る故郷・福島への思いのほんの一端かもしれませんが感じる事が出来たような気がしています。

いまだこの国が抱える放射能や原発の問題、そしてそれらを通して見えてくる人間にとっての故郷、人との関わり、生きる意味といった本質的な問い。

この作品は、福島や被災された方々の苦痛や苦悩は彼らだけが抱えるべき特殊で限定的な問題ではなく、決して僕にとっても無関係じゃない、日本に住む全ての人が向き合うべき問題なんだという事を教えてくれました。

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