【わたしを離さないで】倫理の境界線とは。
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2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏原作の映画作品。

安定的な臓器提供のためだけに生まれさせられ育てられた少女たちの物語。

臓器提供の為につくられた少女たちももちろん普通の人達と変わらない人間。

泣き笑い、芸術を楽しみ、嫉妬し、そして恋もする。
他人に人生を強制されているという部分を除けば普通の人間。

しかしこの作品の世界は、多数の人達の健康長寿を叶える為にそういった子供たちの犠牲を容認している。
僕らの倫理からは大きく逸脱した世界。

じゃあその“倫理”って一体なんなんだろう?

鑑賞の為に飼育されている動物園の動物たち。
安定的な食料確保の為に柵や檻の中に閉じ込められた牛や鳥たち。
国や個人によってしばし衝突する動物愛護の価値観の違い。

それだけではなく、世界で起こっている強者による弱者に対する搾取。
戦争。
人身売買。

そういった、やって良い事と悪い事の線引きとしての倫理なんていうものは、本当は今自分たちが生きている狭い範囲の中でなんとなく共有されているだけのものに過ぎなのではないか?

倫理っていうのは、実は自分たちの都合によって及ぶ範囲が定められた不確実で曖昧なものにすぎないのではないか?

そんな自分たちの当たり前の価値観を改めてフラットな目で見直すきっかけを与えてくれる作品でした。

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